2010年10月05日
たばこが肺の老化を促進 自治体対策や禁煙治療に期待
キーワード: COPD(慢性閉塞性肺疾患) 「無煙」喫煙は万病の元 喫煙

喫煙は体にさまざまな悪影響をもたらす。循環器疾患に対する悪影響はとりわけ深刻で、肺機能の低下がともなうと、肺の老化も進みやすくなる。もっとも効果的な対策は「禁煙」すること。
たばこ増税により禁煙に対し意欲的な人が増える一方で、自治体の受動喫煙対策の効果も大きいとする調査結果が発表された。
たばこ増税により禁煙に対し意欲的な人が増える一方で、自治体の受動喫煙対策の効果も大きいとする調査結果が発表された。
肺年齢:「喫煙あり+循環器疾患あり」では14.8歳高い
喫煙は循環器や呼吸器にあきらかな悪影響をもたらす。肺がんをはじめとするがん、虚血性心疾患、慢牲気管支炎、肺気腫など閉塞性肺疾患、消化器疾患など、さまざまな病気の原因にもなる。
受動喫煙防止策 神奈川県が4月に条例施行
10月1日から実施されたたばこ増税をきっかけに、禁煙を望む喫煙者が増えている。同じくファイザーが今年8月〜9月に、インターネットで行った喫煙者の実態調査によると、「タバコの値上げをきっかけに、禁煙に挑戦する」と回答した人が半数以上に上った。調査の対象となったのは全国都道府県別200人ずつ、計9400人の喫煙者。
一方で、禁煙に対する意識や理解は、都道府県によって差があるようだ。自治体の受動喫煙対策が影響していることが浮き彫りになった。「禁煙に成功する自信がある」という人の割合は都道府県で差がひらき、禁煙に成功する自信がもっとも高かったのは宮城県(62%)で、もっとも低かったのは徳島県(36%)だった。
神奈川県は受動喫煙を防止する条例を全国にさきがけて施行した。同県の喫煙者は、居住地域の受動喫煙対策を充分と感じている割合が全国でもっとも高かった(50%)。最近、たばこを吸いづらいと感じている割合(85%)も全国で2番目。日本初の受動喫煙防止条例が確実に喫煙者に影響を及ぼしていることを裏付ける結果となった。
作田学・日本禁煙学会理事長は「たばこ増税は、喫煙者の禁煙意向を促進しているという点で、大きな効果をあげている。一方で、禁煙に成功する自信は喫煙者全体でも半数程度で、すぐにでもタバコをやめられると思っている喫煙者は3分の1以下だった」と述べている。
「禁煙を成功させるために効果的な方法は、医療関係者による適切な指導と禁煙補助薬による禁煙治療であることは、さまざまな研究からもあきらか。せっかく禁煙に挑戦する人たちには医療機関で禁煙治療を受けることをお勧めする」としている。
ファイザー(株)
[Terahata]