2010年06月10日
健康的な日本型の食事でうつ症状が低下

野菜や、大豆食品、きのこ類、果物などをよくとる日本食は、エネルギー量や栄養バランスを調整しやすい「健康食」といわれる。「健康的な日本食パターン」により、うつ症状も減少するという研究が発表された。
この研究は、国立国際医療研究センターの南里明子氏や溝上哲也氏らによるもので、「欧州臨床栄養学雑誌」オンライン版に5月19日付で発表された。 これまでに食事での食品や栄養素の摂取とうつ症状との関連を指摘した研究はあるが、食事パターンを調べた研究は少ない。そこで研究者らは、福井県で勤める21歳〜67歳の男女521人(男性309人、女性212人)を対象に定期検査を行い、食事パターンとうつ症状との関連を調査した。 1ヵ月間の食事について質問票で尋ね、52種類の食品や飲料の摂取について、主成分分析という手法で推定した。うつ症状の評価は、質問票の回答をもとに、世界的に広く使われている「CES-D」という尺度で判定した。 野菜や、大豆食品、きのこ類、果物などをとよくとる「健康的な日本食型」、肉をよくとる「動物性食型」、「欧米型朝食型」の3つの食事パターンに分け、それぞれ強、中、弱に3段階に分類。 うつ症状との関連を比較したところ、日本食パターンのみられる人ではうつ症状の頻度が最大で44%に減少しており、際立って低いことが示された。他の2つの食事パターンでは明白な関連がみられなかった。 健康的な日本型の食事には、魚、ニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜、キャベツ、白菜、ダイコン、カブなどの根菜を含む淡色野菜、きのこ、納豆、豆腐などの大豆食品、海藻、ジャガイモ、果物、緑茶などが含まれる。 Dietary patterns and depressive symptoms among Japanese men and women(欧州臨床栄養学雑誌)
European Journal of Clinical Nutrition, May 2010, doi:10.1038/ejcn.2010.86
[Terahata]