一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

トランス脂肪酸の表示ガイドライン 今夏までに策定 消費者庁

キーワード: 高血圧 二少(少食・少酒) 脂質異常症(高脂血症) 糖尿病 動脈硬化 心筋梗塞/狭心症 健康食品 健診・保健指導

 マーガリンやショートニングなど加工油脂に含まれる「トランス脂肪酸」について、消費者庁は食品会社などが含有量を容器などに表示する際のガイドラインを今年夏までにまとめ、容器表示やホームページを通じた情報開示を求めると発表した。

 ガイドラインでは、トランス脂肪酸の定義や分析法、認められる誤差などのルールや、飽和脂肪酸、コレステロールの表示ルールなどを整理した上で、使用量制限や、自主的な情報開示の取り組みを業者に促す方針。

トランス脂肪酸はなぜ悪い

 トランス脂肪酸は、油脂類に含まれる脂肪酸の二重結合の一部がトランス型になったものをいう。
 牛乳、チーズ、バター、アイスクリームなどの乳製品の脂肪に含まれるほか、マーガリンやショートニングにも含まれる。
 普通の植物油では脂肪酸部分はシス型と呼ばれる結合をしているが、水素を添加したり高温で加熱すると、その過程でトランス型ができる。
 トランス型は構造的に不安定で、トランス脂肪酸を多く摂取すると、悪玉コレステロールといわれているLDLコレステロール(肝臓からコレステロールをからだの隅々へ運ぶ)を増やし、善玉コレステロールといわれているHDLコレステロール(血管壁に沈着したコレステロールを肝臓に持ち帰る)を減少させる働きをする。
 トランス脂肪酸を含む食品を多量とり続けた場合には、動脈硬化などによる心疾患のリスクを高めるとの報告がある。

 同庁では、昨年12月から関係省庁とともに担当課長会議を開催し、トランス脂肪酸の摂取量や健康への影響などについて検討してきた。

 その結果、トランス脂肪酸の含有量を減らす取組みをしたり、ホームページなどで情報を公開している食品会社が増えている一方で、「トランス脂肪酸の定義や分析法等の表示ルールが定まっていない」、「同様に心血管系疾患リスクを高める飽和脂肪酸やコレステロールも合わせて検討する必要がある」という声もあったという。

 今後の検討事項して、「健康への影響などに関する情報収集」、「食品企業などの取組状況の情報収集」、「トランス脂肪酸についての情報を消費者にわかりやすく提供する方法」を挙げている。

海外ではトランス脂肪酸表示を義務化
 トランス脂肪酸については、世界的に食品の含有量を規制する動きがある。世界保健機関(WHO)は2004年に、高血圧や脂質異常、2型糖尿病などの生活習慣病を予防し、心臓病などのリスクを減らす観点から「食事、運動と健康に関する世界戦略」をまとめた。

 米保健福祉省と農務省は「米国人のための食生活指針」を5年ごとに発表し、加工食品の栄養成分表示に関するガイドラインを示している。

 いずれも「脂肪からとるエネルギー量を抑える」、「飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸をとるようにする」、「トランス脂肪酸を減らす」、「食塩摂取量を減らす」といったように健康的な食生活を勧め、加工食品にラベル表示をすることで消費者が食品を選びやすくするよう求めている。

 欧米ではトランス脂肪酸の摂取量が多い傾向がある。米国成人が1日にとるトランス脂肪酸の平均は5.8gという報告があり、WHOとFAO(国際連合食糧農業機関)の専門家委員会では、「1日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満」という目標を示した。米ニューヨーク市がレストランやファストフード店で使われる調理油などに含まれるトランス脂肪酸を制限するなど、成分表示の義務化や摂取量を規制する動きは世界的に広まっている。

 それに比べ、日本人1日当たりの摂取量は、食品安全委員会の調査によると、総エネルギー摂取量の1%未満と少なく、日本には表示や摂取量の規制はない。しかし、消費者庁は「脂質の多い菓子類や食品の食べすぎなどの偏った食事をしている場合は、平均値を大きく上回る摂取量となる」として、ガイドライン策定にふみきった。

健康食品の表示に関する検討会情報(消費者庁)

関連情報
健康食品の表示、消費者庁が検討会の初会合(糖尿病NET)
栄養成分表示をもっと分かりやすく [加工食品と外食](糖尿病NET)
Global Strategy on Diet, Physical Activity and Health(WHO)

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2022年01月26日
【新型コロナ】テレビばかり見ていると血栓症リスクが上昇 糖尿病の人は立ち上がって運動を
2022年01月20日
インターバルトレーニングが糖尿病の人の糖代謝を改善 速歩とゆっくり歩きを交互に 脂肪肝も解消
2022年01月20日
糖尿病は認知症リスクを高める 予備群の段階でリスクは上昇 認知症を防ぐ生活スタイルとは?
2022年01月19日
肉やソーセージを食べ過ぎると糖尿病リスクは上昇 植物性食品に置き換えるとリスクは減少
2022年01月13日
糖尿病の人は血糖値が高いと歯を失いやすい 歯の喪失をこうして防ぐ 予備群の段階からご注意

疾患 ▶ 高血圧

2021年07月12日
コロナ禍での高血圧症患者さんの過ごし方
2021年04月16日
人工知能(AI)により生活習慣病の将来リスクを予測 保健指導での意識・行動の改善に貢献 国際医療研究センターなどが共同研究
2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切

疾患 ▶ 脂質異常症(高脂血症)

2021年07月28日
糖尿病はアルツハイマー病の危険因子 脳を活性化して予防 新しいことにもチャレンジ
2021年04月16日
人工知能(AI)により生活習慣病の将来リスクを予測 保健指導での意識・行動の改善に貢献 国際医療研究センターなどが共同研究
2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切

テーマ ▶ 健診・保健指導

2021年05月17日
5月31日は世界禁煙デー、6月6日まで禁煙週間
禁煙で新型コロナに負けないカラダになろう!
2021年03月26日
【健やか21】「日本脳炎ワクチン供給不足が見込まれる現状についてのお知らせ」の掲載について(日本小児科学会)
2021年02月12日
【健やか21】「地域の実情に応じたアウトリーチ型家庭教育支援の取組事例」の掲載について(文部科学省)
2021年01月22日
【健やか21】日本医学会連合が新型コロナ「重症化リスクをお持ちの皆様へ」注意喚起
2021年01月15日
【健やか21】「子どもの食育を考えるフォーラム」がWeb開催(日本小児医療保健協議会)

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
2021年04月16日
中学生でも肥満だと代謝異常リスクが3倍に上昇 女子中学生では軽度の過体重でも高血圧のリスクが
2021年04月16日
世界肥満デー 世界の20億人が肥満か過体重 2025年までに世界の成人の5人に1人が肥満に

疾患 ▶ 心筋梗塞/狭心症

2021年09月10日
コーヒーを1日に最大3杯飲むと脳卒中や心臓病のリスクが低下 糖尿病の人にもベネフィットが
2021年03月11日
健康寿命を伸ばすための10の方法 こうすれば健康に長生きできる 国立医療研究センター6機関が提言
2021年02月18日
WHOが「世界の死因トップ10」を発表 心臓病が1位に 糖尿病と認知症も上位に 食事と運動で予防・改善
2021年02月09日
くるみなど植物由来のオメガ3脂肪酸を豊富に含む食生活で心筋梗塞後の死亡リスクが低下
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に

テーマ ▶ 健康食品

2022年01月19日
食後血糖の急激な変動(血糖値スパイク)を抑える健康食事法 「スローカロリー食ライフ」キャンペーン実施中!
―豪華賞品とスローカロリー商品詰合わせをプレゼント。2022年2月16日まで!
2020年11月25日
スローカロリー研究会Webセミナー「ロードレースとスローカロリー ギネス世界記録への挑戦 」を公開中!
2020年10月26日
「ブルーベリー」のポリフェノールに免疫を調節する作用 炎症性腸疾患の予防や治療につながる可能性
2020年08月28日
【新型コロナ】ポビドンヨードを含むうがい薬がコロナに効く? 薬局などで売り切れが続出
2019年06月28日
【PR】
尿酸値が気になる人へ!
尿酸値の上昇を抑える「PA-3乳酸菌」活用のススメ

疾患 ▶ 動脈硬化

2021年03月11日
健康寿命を伸ばすための10の方法 こうすれば健康に長生きできる 国立医療研究センター6機関が提言
2021年02月18日
WHOが「世界の死因トップ10」を発表 心臓病が1位に 糖尿病と認知症も上位に 食事と運動で予防・改善
2021年02月18日
ウォーキングなどの運動は「1日にわずか12分」でも効果がある 運動など生活スタイル改善の指導を容易に
2020年12月14日
肥満や糖尿病に「コーヒー・緑茶・アルコール」は良い・悪い? どれくらい飲むと健康効果を期待できる?
2020年11月26日
納豆などの「発酵性大豆食品」が循環器疾患や脳卒中のリスクを低下 日本人8万人を調査
予防月間2022
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート