2010年02月15日
小児肥満:孤食+睡眠不足+テレビ視聴で1.7倍に 米調査
キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム

幼児が1人で食事をとっていたり、睡眠不足、テレビの視聴が多いという3要素がそろうと、そうではない幼児に比べて肥満の割合が1.7倍に増えることが、米オハイオ州立大学などの研究チームの調査で分かった。子供の肥満は将来に生活習慣病の発症につながるおれそがあり、研究者らは「専門家が支援する必要がある」と述べている。
3項目の生活習慣が子供の肥満に影響
オハイオ州立大学疫学准教授のSarah Anderson氏と、テンプル大学公衆衛生・小児科学教授のRobert Whitaker氏らは、2001年に米国で生まれた子供8550人を対象に、2005年に収集したデータを解析した。研究データは「就学前・初等教育の縦断的研究」、「出生コホート」、米国教育統計局(NCES)による米国の初等教育児の学習環境、健康、成長に関する研究の一部として収集された。
子供の肥満は親と医師が協力して対策
「テレビ視聴の制限や適切な睡眠など、どのような生活習慣改善が効果的かを知りたいという人は多い。しかしこうした項目のどれか1つだけを指摘するのは難しい。肥満リスクは、どれか1つだけ該当しても高くなるが、複数が重なるとさらに高くなる」とAnderson氏は話す。
「さらに研究が必要だが、これら3項目が子供の肥満予防を促進するのに有効であり、幼い子供のいる家庭を肥満から保護する予防戦略になる可能性がある。子供では体重増加に着目した指導は難しいので、両親と小児科医の双方で対策してもらうことが有用だろう」と述べている。
「親は子供の体重が心配なときは医師に相談した方が良い。食事を規則的に親子でとり、テレビの視聴を制限し、睡眠を十分にとるのが困難な家庭もある。家庭の環境や条件に制限があるとき、親子は問題を解決するために何が必要となるかを考え悩むだろう。これらの家庭での生活習慣を改善するために支援しなければならない」。
この研究は、米農務省経済調査局の「食料援助・栄養調査プログラム」による資金提供を受け実施され、米国小児科学会が発行する医学誌「Pediatrics(小児科学)」オンライン版に2月8日付で発表された。
Family meals, adequate sleep and limited TV may lower childhood obesity(オハイオ州立大学)Household Routines and Obesity in US Preschool-Aged Children
PEDIATRICS, doi:10.1542/peds.2009-0417
[Terahata]