2010年01月25日
全国初の1万人規模の健診 ながはま0次予防コホート事業
キーワード: 心筋梗塞/狭心症 オーダーメイド医療 健診・保健指導
滋賀県長浜市は、全国で初めての大規模コホート事業「0次予防健康づくり推進事業」に取り組んでいる。10年以上にわたり市民の健康状態をチェックし、がんや心疾患、糖尿病など疾病罹患の要因をさまざまな視点からあきらかにすることことが目標。
事業では長浜市と京都大学大学院医学研究科が連携する。通常の「特定健診」と京大医学研究科が提供する「健康づくりに役立つ検査」を組み合わせた「0次健診」を実施する。 参加者から提供された血液、尿、DNA、遺伝子配列情報、健診・問診結果などのさまざまな試料を医学研究に活用し、がんや脳卒中、心筋梗塞や2型糖尿病、メタボリックシンドロームを中心とする生活習慣病の発症メカニズムの解明につなげる。 事業は5年を一定の期間とするコホート(集団)研究で、1万人規模の試料提供をめざしている。2016年度まで10年間をめどに実施し、市では遺伝子情報管理や個人情報保護の条例も設けた。 市は「0次健診」の対象範囲を、1月1日に合併する東浅井、伊香郡6町にも拡大し、30歳から74歳の市民を対象に健診の予約を呼びかけている。 市立長浜病院や保健センターなどで実施し、参加者は血液と尿などを検査する通常の健診に加え、呼吸機能、胸部レントゲン、大動脈波速度、心電図、眼底などの検査も無料で受けられる。受診は完全予約制。 健康増進活動の実践と市民の意識向上を目的に、市民向け「マンスリー講座」などの講演会、セミナーなども開催している。市健康推進課では「研究成果を、医学と医療の発展だけでなく、市民全体の健康づくりにも寄与したい。健診に多くの方に参加していただきたい」としている。

京都大学大学院医学研究科・医学部
[Terahata]