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ダイエット食による早起き効果 体内時計をマウス実験で解明

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム セルフケア 疲労(休養不足)

 炭水化物の摂取を少なくすることで体内時計を調節できる可能性があるという研究を、産業技術総合研究所の大石勝隆・生物時計研究グループ長らが発表した。

 ヒトを含むほとんどすべての生物は、地球の自転周期にほぼ一致した約24時間周期で変動する概日リズムを刻む体内時計のシステムが備わっている。体内時計は時計遺伝子と呼ばれる一連の遺伝子群によって調整されている。時計遺伝子の働きは脳や心臓、肝臓、腎臓などほぼすべての臓器にあるとみられているが、そのメカニズムについて詳しく分かっていない。

 そこで研究者らは、炭水化物0.73%、脂肪94.8%と、炭水化物を極端に減らした「ケトン体ダイエット(低炭水化物ダイエット)」を14日間マウスに与え、体内時計遺伝子のひとつで24時間弱の周期で働きが変わる遺伝子「ピリオド2」の働きを調べた。炭水化物を極端に減らし脂肪を多くした食事をとると、インスリンの分泌を抑えられエネルギーを脂肪から作り出すため脂肪分解が進む。

 その結果、ケトン体ダイエットを与えたマウスでは、時計遺伝子のもっともよく働く時刻が4時間から8時間程度早くなることが分かった。活動時間帯も早まり早起きになっていた。体内時計周期を計算したところ、炭水化物を50%含む普通食で飼育したマウスに比べ、15分から20分程度短くなっていた。

睡眠障害と体内時計の異常
 研究者らは、低炭水化物ダイエットによる体内時計制御のメカニズムについては不明な点が多く、分子メカニズムの解明が必要で、長期的な安全性についても確かめられていないとしながらも、「食事の工夫で体内時計の働きを改善できれば、睡眠障害などの治療につながる可能性がある」としている。

 例えば、望ましい時刻の入眠や自然な覚醒できず、夜更かしや朝寝坊、日中に過剰な眠気などが起こる「睡眠相後退症候群」は、体温リズムやメラトニンの分泌リズムなど何らかの体内時計機構の障害が原因と考えられている。治療として高照度光療法などが試みられているが、その作用メカニズムは不明であり、効果に関して個人差がある。そのため、従来の治療法とは作用メカニズムの異なる新たな治療法の開発が望まれている。

 この研究成果は、米国科学誌「Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology」に掲載された。

独立行政法人産業技術総合研究所

[Terahata]

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