2009年09月08日
1日の歩数を1000歩増やそう 協会けんぽが事業 【徳島】
中小企業の従業員や家族が加入する協会けんぽ(全国健康保険協会)徳島支部が、ウォーキングによる健康増進をはかる事業を始めた。運動を習慣化し、生活習慣病予防に役立ててもらい、医療費の抑制につなげたい考えだ。加入事業所を通じ参加者を募っている。
事業名は「あるきま1000(せん)か運動」。参加者は応募した事業所で、同協会の保健師に腹囲や体重、体脂肪率、筋力などを測定してもらった後、歩数計を付けて半年間、会社や自宅の周りなどでウォーキングする。記録シートに歩数を記入しながら、1日当たりの歩数を1000歩以上増やし8000歩にすることを目標にする。 保健師による健康チェックを実施前、期間中、実施後と3回行い、最終結果は事業所ごとに徳島支部に提出する。データをもとに保健師が保健指導に当たる。先着1000人で募集期限は10月末まで。徳島支部は、加入1万3000事業所に参加を呼び掛けている。 応募条件は、協会けんぽ徳島支部の適用事業所であること、健康保険委員がいる事業所であることなど。徳島支部では、健康保険事業に協力する被保険者を、健康保険委員として募集している。 徳島県の公表によると、県民の1日当りの平均歩数は男性が6507歩(全国平均7575歩)、女性が5931歩(同6821歩)。全国平均よりも1日歩数が1000歩少ない。BMIが25以上の肥満の割合は男性が37.2%(全国平均27.8%)、女性が26.1%(同22.2%)。全国に比べ肥満の割合も高い。さらに、県の2008年の糖尿病死亡率(10万人当たり)は18.6人で、全国平均(11.5人)を大きく上回り、全国ワーストとなっている。 これらを背景に、徳島県の2005年の1人当たりの医療費は31万円(全国平均25万9000円)と全国第6位で、全国平均を大きく上回る。 政府管掌健康保険の保険料は全国一律の8.2%だったが、2006年に健康保険法が改正され、09年9月までに都道府県ごとに異なる保険料率に移行した。徳島県の保険料は8.24%に引き上げられ、北海道、佐賀に次ぐ全国3番目の高水準となる。 保険料率が急激に上昇する場合は、全国平均の保険料率との差を10分の1に調整する激変緩和措置が、2013年9月まで講じられるが、緩和措置が終わると、現在の医療費なら月600円から1000円程度の負担増になる。生活習慣病を予防するなど加入者の医療費が下がれば、その分の保険料を下げることができるようになるので、地域の健康増進や生活習慣病予防の対策は重要だ。 協会けんぽ徳島支部は「肥満の要因は、食べ過ぎと運動不足。このままでは医療費は増加の一途をたどる。ウォーキングを生活習慣病対策に役立ててほしい」としている。

都道府県単位保険料率等の決定について(全国健康保険協会)
[Terahata]